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弁護士コラム

浪費癖のある夫の財産分与

投稿日:2020年12月13日 更新日:

財布にお金がない

財産分与とは、結婚生活中に夫婦が協力して築きあげた財産を離婚する際に夫婦2人にそれぞれ分け与えるという制度です。
結婚前から持っていた財産や相続によって取得した財産は、夫婦の協力で築き上げた財産ではありませんので、財産分与の対象にはなりません。

2 財産分与の考え方

財産分与の基本的な考え方は、原則として、現に残っている夫婦の財産を2人で分けるというものです。そのため、財産が残っていない場合は、財産分与をする余地がありません。

プラスの財産が残っていないばかりか、借金というマイナスの財産が残っている場合にもプラスの財産が残っていない以上、財産分与をする余地がなく、借金もそれぞれの名義で借りたものをそれぞれが返済していくことになるだけです。

債務の財産分与について詳しくは、コチラをご覧ください。

財産分与と債務

3 財産分与の対象となる財産がある場合

夫が自分の好き放題をして散財・浪費していたことから残っている預貯金が少ない場合でも自分は半分しか貰えないのは納得できないかと思います。本当だったらもっと貯金できていたはずなのに!と思うはずです。このような場合、次のような主張をすることが考えられます。

特有財産からの支出であるとの主張

財産分与は結婚してから2人で貯めたお金や財産を分配するというものですので、結婚前の財産は、財産分与の対象にはなりません。結婚前の財産のことを特有財産といいます。
例えば、夫が結婚前に100万円を貯金があり、離婚時に150万円になっていた場合、財産分与の対象となる預貯金は50万円です。半分貰えると考えると25万円しか貰えません。夫は結婚前の預貯金と併せて150万円の財産があることになります。

しかし、夫が浪費や散財していた場合、例えば不倫相手との交際費に100万円を貢いでいたことから預貯金が150万円しか残っていないにもかかわらず、妻が25万円、夫が125万円の分配というのは納得できないはずです。

そこで、不倫相手との交際費100万円は、夫婦共有財産からの支出ではなく、結婚前の預貯金から支出したと主張する方法が考えられます。実際、夫婦共有財産としての預貯金から支出していたのか結婚前の預貯金から使っているのかは分かりませんし、妻の立場としては、そのような支出を夫婦のお金から支出することを認めるわけはありません。

このように考えると、離婚時に残っている150万円の預貯金は全額夫婦共有財産になりますので、半分づつ分けると75万円を財産分与として貰うことができます。

分配割合を変える主張

夫には結婚前に預貯金がなかった場合には、特有財産からの支出であるとの主張はできません。

しかし、仮に不倫相手との交際費100万円の支出がなければ、離婚時の預貯金は150万円ではなく、250万円になっていたはずです。でも、実際は150万円しかありません。残っている150万円を半分づつ分けるのは納得できないでしょう。

そこで、財産分与の割合を変えるべきであるという主張をすることが考えられます。

夫婦共有財産は、夫と妻が2人で協力して貯めた財産を分配するというものですので、その協力の程度が妻の方が多いはずだという主張です。夫が浪費家であり、妻が節約家である場合、現に残っている150万円は妻の節約のおかげだということになります。

例えば、150万円の預貯金が残っているのは妻のおかげが70%、夫のおかげが30%だとすると、妻の取り分は70%の105万円ということになります。

4 財産分与の対象となる財産がない場合

それでは、夫の散財・浪費によって、別居時点において、一切財産分与の対象となる財産が残っていない場合は財産分与の請求は一切できないのでしょうか。

参考になる裁判例として、浦和地方裁判所昭和61年8月4日判決があります。
本来であれば、別居時点で夫婦共有財産が無ければ、分与するものがないということで、財産分与は認められません。
しかし、お互いの収入からするとこの程度の預貯金が溜まっていただとか、明らかに夫が自分のためだけに散財した証拠が残っているなどの事情があれば、現に財産が残っている財産が無かったとしても、夫に対する財産分与が認められる場合があります。

もっとも、このような場合は極めてレアなケースで、財産分与を認めないことが社会正義に反する場合に限られるでしょう。

【事案の概要】
夫が他の女性と不倫をしたことから、その女性の関係者から示談を迫られ、合計595万円を支払うことになったが、その費用を夫婦共有財産から支出した。また、夫は、家計を無視してスーツ、ゴルフ用品を買い求めることや、支払総額300万円の車を購入するなどし、家賃や保育料、光熱費を支払うだけで給与を家計に入れなくなった。そして、別居時点においては、全く預貯金は無くなっていた。
【裁判官の判断】
夫は離婚に伴う財産分与として妻に対し500万円を給付することが相当である。

5 さいごに

以上のように財産分与といっても、それぞれの夫婦の生活スタイルに合わせて様々な主張をすることができます。

単に今ある財産を半分づつすればいいというわけではないのです。納得いかないまま、財産分与を決めてしまうと不利な条件で財産分与をしてしまうことになるのです。

滋賀バディ法律事務所は、財産分与を含む離婚問題に豊富な実績と知識があります。
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