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弁護士コラム

協議離婚をする際に知っておくべきこと

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はじめに

離婚は多くの場合、協議離婚の形で行われます。

協議離婚とは、夫婦間の話し合いで合意して離婚することです。他には、家庭裁判所に調停を起こして離婚する調停離婚や、裁判で離婚する裁判離婚があります。国によっては当事者間の協議だけでは離婚できないこともありますが、日本では協議離婚が認められており、数としても一番多くなっています。

話し合いで離婚する場合、必ず離婚に際しての条件を取り決めて、離婚協議書というものを作成しましょう。

もし相手からの金銭(養育費など)の支払いなど決めたものの、相手が支払わずに約束を破った場合でも、離婚協議書を作成していれば回収の手続きを比較的容易に進めることができるからです。

離婚に向けた話し合い

協議離婚書とは

離婚協議書とは、離婚時の話し合いで合意した内容を記載しておく書面のことを言います。方式が定まっているものではありませんが、内容のほかにお互いの署名押印や合意した日付は必要でしょう。

協議離婚書は、後々、話し合いの内容について争いが生じた場合に、証拠とするために用いられます。

誤解されることがありますが、約束を守らせる誓約書とは異なります。あくまで離婚する際の話し合いの内容を記載するものとなります。

協議離婚書の内容=離婚に際して決めなければならないこと

(1)離婚協議書作成の流れ

離婚協議書の作成は、以下の流れで進みます。

①話し合いをして、離婚する際の内容を決める

②離婚協議書を作成

③離婚協議書を公正証書にする(公正証書にする場合)

 

(2)離婚協議書に記載する内容の決定

離婚協議書に記載する内容を決めるため、まずは夫婦間で話し合いをします。

以下で記載していることは、離婚するときに法律上問題となりうる条件面をだいたい網羅しています。ご自身に関係のある条件について取り決めして記載していくことになります。

①離婚を合意した旨の記載

②慰謝料

③財産分与

④親権者(監護権者)の指定

⑤養育費

⑥面接交渉

⑦年金分割

 

(3)離婚協議書の内容・書き方

具体的に離婚協議書にはどのような内容を書いていくことになるでしょうか?

以下、より詳しく書いていきます。

 

①離婚を合意した旨の記載

夫婦が離婚について合意した旨を記載します。

それに加え、離婚届の提出日、誰が離婚届けを役所に提出するかなどを記載することもあります。

 

②慰謝料

慰謝料とは、精神的苦痛を受けた場合に、苦痛を与えた側から受けた側に対して支払われる費用をいいます。

不倫行為やDVなどがあった場合に、そもそも慰謝料を支払うか、支払い金額はいくらか、支払期日はいつか、一回払いか、複数回払いかなどを記載します。

 

③財産分与

財産分与とは、婚姻生活において、夫婦が協力して増やした財産を清算し、夫婦それぞれの個人財産に分けることをいいます。

離婚協議書には、財産分与の対象となる財産、いつまでに財産分与の支払いをするか、一括で支払うか、複数回で支払うかなどを記載します。

 

④親権者の指定

離婚協議書に、子供の名前を記載し、その子供の親権者を記載します。

通常は、子供の名前の前に、「長男」「長女」「次男」「次女」等記載し、「長女○○の親権者は□□とする」などと記載していきます。場合によっては、養育方針などを記載することもあります。

 

⑤養育費

養育費とは、子どもを育てるのに必要な費用のことをいいます。

養育費には、衣食住に必要な経費や教育費、医療費、最低限度の文化費、娯楽費、交通費など子どもが自立するまでにかかるすべての費用が含まれます。

離婚協議書には、そもそも養育費を支払うか否か、支払うとしたらその金額、いつからいつまで養育費を支払うか、支払い方法などを記載します。

 

⑥面会交流

面会交流とは、離婚や別居で子どもと離れて暮らす父親や母親が、定期的に子どもと会って交流することをいいます。

離婚協議書には、どのくらいの頻度で面会交流を許すのか、面会交流の日時の1回あたりの面会の時間、面会交流の実施にあったっての方法の取り決めなどを記載します。

 

⑦年金分割

年金分割とは、結婚している期間に支払った保険料は夫婦が共同で納めたものとみなして、将来の年金額を計算しよう、というものです。

例えば、専業主婦の場合は、夫が払った保険料の一部(最大で半分まで)を妻が払ったものとして、将来の年金額が計算されることになります。

 

⑧公正証書を作成するか否か

公正証書とは、法律の専門家である公証人が法律にしたがって作成する公文書です。

公正証書は高い証明力があるうえ、養育費などの支払を怠ると、裁判所の判決などを待たないで直ちに強制執行手続きに移ることができます。

離婚協議書を公正証書にする場合は、離婚協議書に強制執行について記載することにより相手が金銭債務を履行しないときは、財産を差し押さえる強制執行が可能となります。

なお、公正証書については以下で詳しく書いていきます。

公正証書で書くべき?

(1)公正証書とは?

公正証書とは、法律の専門家である公証人が法律にしたがって作成する公文書です。

そのため、高い証明力があるうえ、債務者が金銭債務の支払を怠ると、直ちに強制執行手続き(裁判所が強制的に金銭等を回収する手続き)に移ることができます。

すなわち、慰謝料や養育費の支払など金銭の支払いを約束した場合、もし支払いが滞っても債務者が支払をしないときには裁判を起して裁判所の判決等を得なければ強制執行をすることができませんが、公正証書を作成しておけば、すぐに強制的に回収する手続きに入ることができます。

 

(2)公正証書にするメリット

では、協議離婚の際に公正証書は作成するべきでしょうか?メリットを記載していきます。

①証拠としての価値が高い

公正証書は、公文書の一つとされています。

公正証書で養育費の支払い金額や支払日について書かれていれば、その内容が夫婦間で離婚前に約束していたものと判断されます。

そのため、もし支払う側が約束した金額より安い養育費しか支払わなかったとしても(もしくは一切支払わなかったとしても)、約束した金額を支払いを回収することができます(もっとも、相手が全くの無収入など支払い余力がない場合は現実的には回収は困難です)。

 

②給料や預金を差し押さえる効力(執行力)がある

執行力とは、裁判所を通じて強制的に給料や預金などを本人が受け取れないようにすること(差押え)です。

例えばお金を貸したけど返してくれない人がいたとします。口頭や手紙で請求しても全く効果がない場合も多いでしょう。お金を全く持たず支払できないのであればやむを得ませんが、支払うことができるのに意図的に支払いを拒むこともあります。

そのような場合に、公証役場で公正証書を作成して、手続をしておくと、すぐに差押えができます。

つまり、いちいち裁判などを起こす必要がありません。

もし公正証書を作成していなければ、裁判所に訴訟を提起し、勝訴判決を得なければなりません。

公正証書には、裁判と同様の執行力があるのです。

これは、慰謝料や養育費の支払いの約束を相手が破った場合に、裁判費用と手間(時間)をかけずに金銭を回収することが可能ということです。

養育費などは毎月確実に得ておきたい金銭ですので、その金額や支払い期日について公正証書を作成しておくことは非常に重要でしょう。

 

③内容に誤りがない。確実性が高い

公正証書は、その内容を法律の専門家である公証人がチェックします。

そのため、夫婦のみで作る離婚協議書に比較して内容が誤る可能性が低く、確実性が高くなります。

 

(3)公正証書を作成するデメリット

①作成に費用がかかる

公正証書作成の費用は、原則として、その目的価額により定められています(公証人手数料令9条)。

目的価額というのは、その行為によって得られる請求側の利益、相手からみれば、その行為により支払わなければならない金銭的負担のことをいいます。

 

②作成に時間がかかる

公正証書は、公証人がその内容に誤りがないかチェックしながら作成するため、作成に時間がかかります。

また、公正証書を作成するときは、夫婦がそろって公証役場へ出頭することが必要となります。加えて、公証役場は平日の9時~17時までなので、この時間帯に合わせて行く必要があります。

 

まとめ

今回は離婚協議書の書き方について書いていきましたが、参考になりましたでしょうか。

間違いのない離婚協議書を作成し、離婚後のトラブルを未然に回避して下さい。お悩みの点がありましたら、お気軽に弁護士にご相談ください。

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