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セックスレスが原因で離婚を考えた時知っておきたいこと

投稿日:2020年11月3日 更新日:

はじめに

夫婦間に性交渉が無い状態になっている、いわゆるセックスレスの状態が続く時、夫婦の一方または双方が離婚を考えることがあります。

セックスレスというだけで、離婚できるのか疑問に思うでしょう。結論から言うと離婚できる場合と離婚できない場合があり、期間や程度、夫婦の置かれている状況などによって変わってきます。

セックスレスの原因が不倫である、あるいはセックスレスを原因として不倫をしている場合には、離婚原因は不倫といえますのでこの記事の内容は当てはまりません。

夫婦のすれ違い

セックスレスが問題になる状況

夫婦のなかには、いろいろな理由で性交渉がない人たちもいます。このとき、夫婦双方が性交渉に対する欲求がない場合や高齢になって自然に性交渉がなくなった場合などには、あまり問題は起こりません。

問題になるのは、夫婦のどちらかが性交渉を望むけれども、相手がそれを受け入れないケースです。このような場合、性交渉を求める側は相手に対して、セックスレスを理由として離婚請求をすることがあります。

 

セックスレスを理由に離婚できる?

話し合って離婚するかを決める協議離婚や双方の合意によって成立する調停離婚であれば、お互いの合意さえあればどのような理由でも離婚することが可能です。

もし相手が離婚に合意しない場合には、裁判になります。しかし、離婚裁判の場合、以下のような法定離婚事由に該当しない場合は離婚が認めらません。

①配偶者に不貞な行為があったとき。

②配偶者から悪意で遺棄されたとき。

③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。

④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。

⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

 

見た通りセックスレスは明示されていません。しかし、⑤その他婚姻継続し難い重大な事由に該当する可能性はあります。

しかし、その期間の長さや、配偶者に誘いを拒否された回数などによっては、重大な事由とまでは認められないこともあります。期間や拒まれた回数に加え、セックスレスの原因や具体的な夫婦の事情、お互いの性交渉へのこだわりなども加味して、個別に判断する必要があるのです。つまり、セックスレスで離婚できるかどうかは、一概に言えずケースバイケースの判断が必要だということです。

セックスレスを原因とする離婚の難しさ

セックスレスについては、完全に夫婦間の問題であり、閉じられたプライベートなものである点が離婚に際して障害となります。性交渉を拒絶されたかどうかと言うことは、夫婦にしかわからず、誰かが確かめに行くこともできません。

また、セックスレスについての悩み自体が非常にプライベートです。通常、このようなことは人に相談しにくいものですし、親や友人にも打ち明けていないことが多いでしょう。そうすると、自分の中だけで問題を抱え込んで、どんどん苦しくなってしまいます。

さらに、セックスレスは証明が非常に難しいです。自分が相手に性交渉を拒絶されたと感じていても、相手はそんなつもりはなかったというかもしれません。結局、夫婦それぞれの言い分しか証拠がないので、実際の所どのような状況であったかを客観的に確認することができません。このようなことがあるので、セックスレスを理由として離婚請求するのは難しいのです。

また、仮にセックスレスの事実が認定されて離婚が認められても、慰謝料については認められない可能性が高いです。多くの場合、夫婦双方に問題があるとされることになるので、性交渉を拒んでいた側だけが悪いと決めるのは困難なためです。例外的に、比較的若年の夫婦間での理由のない一方的な拒絶であり、他方のダメージの大きさが認定できる場合には、慰謝料が認められることもあります。

別居をした方がいいのか?

セックスレスに我慢の限界で別居をした方がいいのか悩む人がいます。一度距離をとることで、ちょうどよい距離感をとれたり、反省し夫婦仲が修復したりすることもあります。

別居をする前にまずは夫婦でしっかり話し合い、もし離婚を希望しないのであれば、別居後もこまめに連絡を取ったり、会ったりするようにしましょう。

離婚を考えているのなら、別居することで婚姻関係が破綻したといえる状況に近づくという面もあります。仮にすぐにセックスレスによる離婚が認められなくても、数年間別居状態が継続すると、婚姻関係が破綻したとされて、裁判で離婚をすることも可能になってきます。

まとめ

セックスレスを原因とする離婚にはケースバイケースの部分が多く自分では適切な判断をすることは難しく、間違った判断をすると不利になってしまうおそれもあります。また、離婚原因として裁判所に認定してもらうには難しい部分もあり、なるべく話し合いの中で離婚の合意に達することが望ましいです。弁護士に相談して正しい見通しを持ち、効果的に交渉や調停を行うことで、相手と合意に達することも可能です。まずは弁護士にご相談ください。

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